ネットを通してリアル・ワールドとバーチャル・ワールドを自由に行き来する主人公たち。
しかし、携帯電話は会話のみで、意識の転送は有線の古めかしい電話でないといけないという設定が面白いね。映画のアイデアが生まれた頃には、携帯での通信ができなかったからとも言えるけど、ハイテクそのものを敵に回した戦いだから、見捨てられたローテクな手段を使うのがテロリストっぽいとも言えますね。

この映画の中では、データを自らの体内に注入すれば、仮想世界でプロフェッショナルとして判断/行動できるという場面が何度も出てきます。なんて便利なのでしょう!でもそうなったとしたら、プロフェッショナルとして生計をたてていくことなんかもうできませんね。まぁ、すでにそういう世界じゃないというお話ではあるんですが。
カンフーのシミュレーション・プログラムを可視化したバーチャル道場のシークエンスは、「パラッパラッパー」のたまねぎ先生が出てきそうなゲーム的空間でした。このステージをクリアしたら、壁が倒れて夕景が現れそうってね(笑)
ストーリーとは関係ないので、ここでラストの話もさせてもらいますよ。スーパーマンのようにいきなり空を飛ぶこたぁないだろー!って(笑)。アメコミ的な世界の締めくくりっていえば説明はつくけど、ここは静かに「ネットは広大だわ…」って呟いた方がよかったぞ(笑)。露店の立ち並ぶ人混みの中で追いかけっこするところなんか、そのまんま「攻殻機動隊」って感じだしね。押井守監督は、実写でこれをやられたことにさぞかし悔しい思いをしているのではないでしょうか?

最後に。「マトリックス」の日本版オフィシャル・サイトへ、映画を観る前に是非一度アクセスしてみてください。デザインやナビゲーションがよくできているという以上に、映画の世界をうまくWEB化しています。映画を観ながらニヤリとできます。

THE MATRIX オフィシャル・サイト
http://www.whatisthematrix.com/japan/
THE MATRIX USオリジナル・オフィシャル・サイト
http://www.whatisthematrix.com/

1999年・アメリカ映画・136分・シネマスコープサイズ・DOLBY DIGITAL  字幕翻訳:林完治 配給:ワーナー・ブラザース映画
1999年9月4日 上野東急2
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