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第12回東京国際映画祭 1999-11-06

YAMAHAのモーターショー・スペシャル・サイトのお仕事が終わって、その期間手をつけられなかったページ・デザインをいくつかやっつけた後、毎年恒例の東京国際映画祭ウィークに突入!この1週間で9本の映画を観ることができました。至福(^^)

オーチャードホール
東京国際映画祭で上映される作品って、開催期間の1ヶ月くらい前に突然決まるんだよね。しかも、1枚のスチール写真と数行の内容紹介だけを頼りに、観たい作品をピックアップしていくんですよ。CDのジャケ買いに近い感覚だよね。
僕の場合、タイトルや解説に「狂気の〜、幻想的な〜、異常な〜」というフレーズがあるとピピッて反応してしまいます(笑)
で、実際作品を観てみると、想像とはえらく違う内容だったりして。まぁそれも、世間に評価が広まっていない初モノ作品と出会う楽しさでもあるんだけどね。

今回の上映作品は、昨年に比べると随分地味な作品ばかり。アメリカ映画が極端に少なかったからねぇ。それでもメイン会場のオーチャード・ホールには長蛇の列ができて、ハリウッド映画以外の映画を観たいと思う人間の多さにちょっと驚きました。

今回観た映画は…

10/31(日)
 「オネーギン」Bunkamuraオーチャードホール
「ママ」渋谷ジョイシネマ
「正義の華」渋谷エルミタージュ
11/1(月)
  「発狂する唇」ファンタスティック映画祭
「ポーラX」
11/3(水)
  「ツイン・フォールズ・アイダホ」
Bunkamuraオーチャードホール
11/5(金)
  「キシュ島の物語」渋谷エルミタージュ
「π」
11/6(土)
  「クリミナル・ラヴァーズ」Bunkamuraオーチャードホール

映画祭で観た作品は、その後公開されるかどうか分からないものもあるから、できるだけ「Cinema Clips」に感想をアップしました。
でも映画祭じゃなくて、すでに公開されている「ポーラX」と「π」がやたら良かったですよ!この2本はまた別の機会に、思い入れをぶちかましたいです。

ここでは感想をアップしていない作品に触れておきましょう。

「正義の華」は、タイで制作された犯罪映画。ストーリーはありがちな麻薬にからむ組織の復讐劇。特徴は、時制をこまぎれにした展開。こういう手法の映画を観ると、北野武の映画がいかに優れているかが分かります。
タイって仏教国だから同性愛がご法度じゃないでしょ。出てくる男優が、逞しい肉体をやたら見せびらかしているんだよね。そのかわり女性は脱がないんだよ。決してそういう映画じゃないんだけど、お国柄なんですかね、やっぱ。

「クリミナル・ラヴァーズ」は、前評判の高かった作品の1本。
同級生を殺害した高校生カップルが、死体を埋めるために森に行き迷ってしまう。森の奥にある小屋に忍び込んだ2人は、そこの住人である男に捕らえられ、彼は男に奉仕することを強いられる。
性格が破綻している女王様的彼女と、奉仕することが性にあっている彼。「ヘンゼルとグレーテル」を現代的に描くとこうなる、というワイドショーが好きそうな際物ネタと童話世界が混ざり合ったような触感の映画でした。
少年愛とご奉仕とカリバニズム、なかなか好みな展開ではあるのですが、うわべだけをなぞったような描写は、ちょっと苦笑モード。人間を深く描いていくことよりも、タブーとされている題材をリミックスしていくことが好きな監督さんみたいですね。
せめて、もうちょっとスタイリッシュか、登場人物を思い切り突き放した描き方をしていれば、思い入れも強まっただろうけど。

今回観ることができませんでしたが、シネマ・プリズムのクロージングで上映されたインド映画「サティア」が面白そうでしたね。マサラ・ムービーにありがちなストーリーの破綻がなく、しかも歌アリ踊りアリの娯楽作品で「スカーフェイス」をやっているという…。なんだか、やたら元気になれそうな感じがしない?
「サティア」は観られなかったけど、ラージマハールでマサラなダンス・ビデオを観ながらニコニコでインド料理を食べて、映画祭ウィークは幕を閉じました。



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