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ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
Lock,Stock and Two Smoking Barrels 1998 UK 108min. Vista
1998-11-4 東京国際映画祭・コンペティション(オーチャード・ホール)・最優秀監督賞受賞

「トレイン・スポッティング」と「トゥルー・ロマンス」のオイシイ部分をミックスしたような脚本に、マーティン・スコセッシばりの映像テクニックを盛り込んだ、活きのいいイギリス映画。
ミュージック・クリップ出身のガイ・リッチー監督は、29歳でこの作品を撮りあげました。
いかにも今の若者が撮りたいと思っているようなスタイルの映画 :パラレルで進行するエピソードがラスト1点に向かっていく巧みな構成の脚本と、1シーン中でスローとコマ落としが混在する流行の映像テクニックを多用しながら画面にノリと疾走感を生み出していく:のお手本の1つとなる作品が誕生したわけです。
上映後に行なわれた制作者と観客とのティーチ・インでは、制作資金がなく撮影が終わった時点で公開さえも決まっていなかったとプロデューサーが語っていましが、公開されるや全英No.1の大ヒットとなった作品です。
日本公開は1年後の99年夏らしいです。

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映画に何を求める?という問いの答えには、感動やアクションといったよくある項目のほかに、<同世代感覚>があると思います。同世代感覚を満足させてくれる映画って意外と少ないと思うんですよ。どちらかというと、小回りの利くTVに株を奪われているような感じがします。
「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は、29歳の監督の同世代感覚がすごく出ていると感じました。俺が面白いと思っていることを、同じ周波数のやつにも面白がってもらいたい!という個人的な勢いがあるんですね。
自分の世界に近いだけだと飛躍のない世界、ただの現実になってしまいますが、そこに身近なコミック的な世界を加えることで、酒が入って急に饒舌になった時のような飛躍感が生まれました。

主人公の4人組なんて、顔も覚えられないくらいフツーの若者だし(無名の俳優だからという理由もあるけど)、マリファナ栽培している若者だってどこにでもいそうなヤツらです。
1つ1つのステージはいかにもありそうな世界なんだけど、こいつをリミックスさせちゃうことで、活字では伝わらないおもしろさに発展していくんです。
ティーチ・インで、はじめて脚本を読んだときは内容がよく分からなかったとプロデューサーも俳優も言ってましたっけ。
それって、まさに映画らしい映画に仕上がったってことなんじゃないかな。

映像テクニックをいろいろ使っていることで、ミュージック・クリップ出身監督はこれだからあざといんだよ、と言い放つ人もいると思います。
ビデオじゃすっかり見慣れてしまった感じのある、スローとコマ落としを1つのカットの中で入れ込んじゃう手法。
でも、これをフィルムでやるのはけっこう大変だったんじゃないかと思うんです。フィルムは回り放しになるからNGも出せない状況だったのでは?それでもこういう見せ方を取り入れていることで、いいリズム感が出ているんです。さすがにミュージック・クリップを作っていただけのことはありますね。
あと、カード・ゲームに負けたエディを捉えたカメラも、面白いテクニックを使っていました。エディの顔に向けた状態でカメラを俳優の身体に固定させていたのでしょう。エディが画面上で固定されていて背景だけがぶれている画面は、自分のまわりの景色がぐるぐる回っている放心状態の心理をうまく映像化していました。

エディの父親でパブの経営者の役をSTINGが演じています。こんな低予算、無名俳優たちの中で、STINGの存在感はすごくありました。STING以外の俳優が同じセリフ同じ演技をしたとしても、ここまで深みと重みは出せなかったなと思います。
なんでも、STINGはこの映画の制作に出資してくれたそうで、その時の条件で出演が決まったそうです。よかったですね。正解でした。

Lock,Stock & Two Smoking Barrels
http://www.lockstock2barrels.com/intro.htm
Shockwaveを使って映画の持つ感覚をうまくデザインしています。


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